【わかりやすいドローン事情】包括申請する際は独自マニュアルで！？

ドローンを飛ばす際に、特定飛行と呼ばれる飛ばし方をする場合は、事前に国土交通省ドローン情報基盤システム（DIPS）で申請をしなければいけません。

その際、業務目的であれば包括申請、という申請の仕方で、

• １年間
• 全国どこでも
• 許可を受けた飛行方法について

ドローンを飛ばすことが可能になります（もちろん実際に飛ばす場所の管理者などの許可は必要。あくまで国土交通省的に、の話）。

包括申請の方法についてはこちらの記事をご覧ください。

それで、この包括申請をする際に「マニュアル」をつけなければならないのですが、国土交通省が準備している「航空標準マニュアル」を使用することが一般的です。

ですが…このマニュアルを改変した「独自マニュアル」というものをつけて申請することも可能です。

この記事では「独自マニュアル」の必要性と独自マニュアルの現状について説明していきます。

独自マニュアルとは？

独自マニュアルの話をする前に、マニュアル・標準マニュアルについて少し説明します。

この記事で話しているマニュアルとは「ドローンを飛ばす際に必要な手順」や「こういうケースではこういう安全策を講じて飛ばしますよー」というドローンの飛ばし方の決まりをまとめたものです。

国土交通省のHPには「航空局標準マニュアル」というお手本のマニュアルが用意されていて、ほとんどの場合、申請の際にはこのマニュアルを使います。

ですが、例えばこちらのマニュアル（外部リンクです）の…

２−８（３）５m／s以上の突風が発生するなど、無人航空機を安全に飛行させることができなくなるような不測の事態が発生した場合には即時に飛行を中止する。

航空局標準マニュアル02

という文言は、若干厳しいですよね？

私が持っているDJI Mini 3 Proの風圧抵抗レベルは10.7m/sです。

ですが、このマニュアル、当然ですが遵守しないといけないんですよね…。

でも、じゃあ例えば「ちょっと突風がきて５m/s以上になっちゃった」で墜落したら…これはマニュアルを守っていないことになります…。ちょっとマズいですよね？

ということで、「運用上安全な範囲」で独自マニュアルを作って申請することで「きちんと守れる運用しやすいマニュアル」でドローンを飛ばすことができます。

独自マニュアル…必要？

まず先に言っておきますが、先ほどの航空局標準マニュアル02は…

令和４年１２月５日に改訂されており、かなり運用しやすいマニュアルになっています。

はっきり言って申請する際に独自マニュアルで申請しようかどうか迷ったくらいです。

恐らく、同じような項目を同じように変えた独自マニュアルで申請されまくったんだと思います。

ということで、一度航空局標準マニュアル02をよく読んで「これでもいいかな」と思ったらこの標準マニュアルで申請・運用してもいいと思います。

私は万が一の場合を考えて先ほどの２−８（３）の風速５m/sの部分を「機体メーカーの定める風速抵抗値以上の突風が発生するなど…」と３−３（２）の夜間飛行の部分に「やむを得ず業務上、そのような状況下での飛行が困難な場合には、…（こういう安全措置を講じるよ）」に変えたマニュアルで申請しています。

参考までに、こちらに私が申請したときの独自マニュアルを載せておきます。

まとめ

ドローンの包括申請をする際の独自マニュアルについて説明しました。

標準マニュアルでも十分運用がしやすい改訂がされているので、以前ほど「独自マニュアルじゃないと、業務上対応がしにくい！」ということもなくなっています。一度確認をしてみてください。

ですが、標準マニュアルではまだ少し足りない部分もありますので、万全を期したい方は独自マニュアルでの申請をオススメします。